低気圧や気候の変動で心身が不調に…!
季節の変わり目や梅雨、長い秋雨、台風の時、雨の日など天候が不安定な時期や気圧の低い時に調子崩す人がいます。それが、通称「天気・気候タイプ」の自律神経失調症です。こうしたケースは「気象病(天気痛)」とも呼ばれます。
耳の奥にある内耳は、平衡感覚や聴力を司る器官ですが、気圧にも関係しています。気圧の変化は、内耳から脳に伝えられます。天気・気候タイプの人は、内耳が敏感であるため、脳に過剰な情報が送られ、自律神経失調症を引き起こすと考えられています。内耳の敏感さから、めまいや頭重感がある人も多く見られます。また、ストレスがきっかけで気象の影響を受けやすくなる人もいます。
天気・気候タイプの特徴は?
あなたは以下のチェック項目にどのくらい当てはまるでしょうか?
☑ めまい・耳鳴りが起こりやすい
☑ 頭痛や頭重感がよく起こる
☑ 身体がだるくてやる気が出ない
☑ 季節の変わり目に不調になる
☑ 雨や台風のときに体調を崩す
……これらの項目の数多くに当て嵌まった場合、あなたは「天気・気候」タイプの自律神経失調症である可能性が考えられます。「天気・気候タイプ」の人は、自律神経が気圧の変化などの気象の変化に過敏に反応してしまい、それによって体調不良を引き起こしてしまいます。また些細なことがきになりやすい人やストレス過多の人も影響を受けやすいようです。具体的には、次のような症状が起こり得るかと思われます。
★「乗り物酔いしやすい」…乗り物酔いも内耳の働きに関係しているため、気象病の人は乗り物酔いを起こしやすい傾向があります。
★「雨や台風の時に調子が悪くなる」…「天気・気候タイプ」の人は気圧の変化に影響を受けるため、雨や台風など気圧の変化が大きい時に不調を感じます。
★「慢性的な疲労感がある」…寒暖差がある季節は、それに対応するために交感神経が優位に働き、その状態が続くと、身体が休まらず、疲れやだるさを感じやすくなります。
★「梅雨どきに落ち込みやすい」…梅雨時は気圧の低い状態が続き、それに対応するために交感神経が優位になります。その状態が続くと、心身が疲れ、気分の落ち込みや倦怠感などが生じます。
★「季節の変わり目も苦手」…季節の変わり目は気圧の変動が大きく、自律神経もバランスを乱しがちになります。そのため、気持ちの浮き沈みが激しくなったり、体調不良になったりするのです。
★「気圧が下がると関節等が痛む」…気圧が下がると交感神経が優位になり、血圧や心拍数が上昇します。それにより血管収縮が起こり痛みが増すと考えられます。古傷が痛むのも同じ理由です。

天気・気候タイプの人の対策とは?
天気・気候タイプの人は、自律神経が気圧などの影響を受け易くなっています。普段から自律神経が不安定だと、その影響がより大きくなるのは言うまでもありません。天候が安定している時期から、できるだけ交感神経と副交感神経がバランス良く働くようにしておくことが大切です。
そのために最も重要なのが「睡眠」です。しっかりと質の良い睡眠をとると、天候による不調を大幅に軽減できます。台風などの予報が出たら、特に注意して睡眠をとりましょう。症状が強い時には、漢方薬を利用してみるのも良い方法です。
これらのことをまとめると、以下の3つのお勧めポイントが見えてきます。
ポイント➊:寝る前のコーヒー、アルコール、スマホは避ける
質の良い睡眠をとるには、交感神経を刺激しないことが大事です。ブルーライトは交感神経を興奮させるため、寝る30分前には、スマートフォンやゲームは閉じましょう。また、コーヒーやアルコールも交感神経を刺激するので、寝る前は控えましょう。白湯はノンカフェインの温かい飲み物は身体を温めるのでお勧めです。
ポイント➋:ぬるめのお風呂で眠りを促す
質の良い睡眠には、体温の下がり幅が影響します。身体の奥の深部体温が高い状態から、熱を放出して体温が下がることで眠くなります。ですから、就寝前にぬるめのお風呂にゆっくりつかり、深部体温を高め、その状態で布団に入るとスムーズに眠れます。アロマなどでリラックスして入浴するとより効果的です。
ポイント❸:漢方の助けを借りるのもよい方法
内耳の血行不良や自律神経を整えるのに有効な漢方薬もいくつかあります。「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」「柴苓湯(さいれいとう)」「五苓散(ごれいさん)」は、体内の水の巡りを良くし、内耳のむくみも改善させます。「抑肝散(よくかんさん)」は、イライラや不安感で眠れない時に、気持ちをリラックスさせてくれます。「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうがとう)」は、体内の冷えを改善してくれます。

当院では、自律神経失調症(気象病含む)をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安症、睡眠障害(不眠症)、
パニック症、摂食障害(過食症)、適応障害、
月経前症候群(PMS)、統合失調症、強迫性障害、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群、更年期障害、心身症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
自律神経失調症の漢方薬による治療をご希望の患者様は、
診察時に医師の方にぜひご相談下さい。
当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することも可能です。
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:工藤孝文著『自律神経』


