夏バテは「暑さのせい」ではない?
かつて、夏バテといえば、暑さで体力を消耗し、食欲が落ちてぐったりする状態を言いました。しかし、現代のような冷房がどこにでも完備されている状況下では、暑さだけが夏バテの要因ではありません。
涼しい部屋にいて汗を一滴もかいていないのに、食欲がわかなくてダルい…それは、冷たいものの摂り過ぎによって胃が疲弊する「胃バテ」が原因です。実は、現代の夏バテとはこの胃バテに拠るものが大半なのです。冷房環境下で冷えたジュースやビール、アイスクリーム等の美味しい「涼」を摂り過ぎると、胃が疲れ、食欲低下を招き、栄養不足になります。その結果、ダルさといった不調を感じるようになるのです。胃を労わる対策をはじめて、日本の暑い夏を元気に過ごしましょう。
「胃バテ」の仕組みを徹底解説!
食べ物を消化する働きがある胃は、些細なことで胸やけや胃もたれ、満腹感といった不調が出やすいため「おしゃべりな臓器」とも言われています。そのような敏感な胃が、一番働きやすい温度がおおよそ37℃ほどです。しかし、冷たいものによって胃内の温度が一気に低下すると、胃液(胃酸や消化酵素)が薄まり、消化力が落ちることで、食べ物が胃の中に長く残り、消化不良が起こります。これが胃バテの状態です。

胃バテに追い打ち!「冷房」による全身の冷え
「胃バテ」に追い打ちをかけるのが、クーラーがよく効いた冷房環境です。本来、人の身体の50~70%は水で出来ており、汗や尿による排出のほかに、吐く息や肌の表面からの排出によって、適度な量を保っています。
ところが、冷房がよく効いた環境下では、汗による排出がしづらくなるため、水分を摂り過ぎると身体に余分な水が溜まってしまいます。水が溜まった身体は濡れた洋服を着ているようなもので、放っておくとどんどん冷えていきます。
冷たいものの摂取で胃バテをしている状態に、さらに身体を冷やしてしまうと、全身をくまなく巡っている血液の循環が滞るために、血液によって運ばれる酸素や栄養素の供給が断たれてしまい、全身にまで不調が広がってしまいます。
このように、「冷たいもの×涼しい環境」の組み合わせは、胃だけに留まらず、全身を冷やすことになってしまいます。夏は、冷たいものを摂るならばなるべく屋外で摂るようにし、涼しい冷房環境下では常温の飲み物や温かい飲み物を摂るなど、工夫をしましょう。

台風やゲリラ豪雨とも関係が…?
台風やゲリラ豪雨など「湿気」が多い時期も、胃バテが起こりやすいため要注意です。大気中に過度な湿気が充満することによって、皮膚からの水分蒸発がしにくくなり、体内にも湿気(余分な水)が溜まり、胃を弱らせてしまうのです。
「スタミナ=肉」ではない!
胃バテを解消するためにスタミナをつけようと、脂たっぷりの肉やウナギを食べると、余計に胃に負担が掛かるために逆効果です。胃バテの時は、疲労回復の効果があるマグロ、カツオなどのビタミンB1が含まれる食材がお勧めです。

夏の不調とおさらば!~食べ物・飲み物の工夫~
繰り返しになりますが、夏バテを解消するには、胃を温めることが大切です。普段の食べ物・飲み物の摂り方を少し工夫するだけで、胃を労わってあげることができるのです。
➊ 1日1杯の「みそ汁」:
夏こそお勧めしたいのが、胃がホッと温まる「みそ汁」です。みそにはスタミナアップや秘湯回復などの効果が期待できる必須アミノ酸が含まれています。特に朝の1杯のみそ汁は、一気に代謝が上がり、1日を元気に過ごすことができます。
➋「冷たい物の後に」温かいお茶で一息:
冷たいものを食べたり飲んだりしたい時は、「摂り過ぎ」に気をつければ、無理に我慢することはありません。冷たいものを摂った後に温かいお茶を一杯飲むようにすると、胃の冷えすぎを防ぐことができます。ハーブティーは、胃に負担を掛けるカフェインが入っていないため、お勧めです。
❸「オクラ」で胃を守る!:
オクラのネバネバ成分のペクチンは、胃の粘膜を保護する作用があるだけでなく、食物繊維の一種なので、善玉菌の餌になり、胃の調子を整え、食欲増進にも繋がります。ペクチンは水溶性の食物繊維なので、茹でてしまうとペクチンがお湯に溶け出してしまいます。よって、茹でずにサッとお湯をかけるだけなら、栄養素が残り、効率的に摂取できます。さらに、オクラは、みじん切りにすると細胞壁が壊され、ペクチンがあふれ出し、水分と粘り気が増すので、胃を整えるネバネバ成分のペクチンを最大限に引き出すことが出来るのです。

当院では、自律神経失調症をはじめ、
睡眠障害(不眠症)、躁うつ病、不安症、適応障害、
うつ病、パニック症、摂食障害(過食症)
月経前症候群(PMS)、統合失調症、強迫性障害、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群、更年期障害、心身症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
なお、自律神経失調症の漢方薬による治療をご希望の患者様は、
診察時に医師の方にぜひご相談下さい。当院のような心療内科では、
健康保険適用で処方することも可能です
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:『元気読本7/1号 261』


