忙しい人にとって、何もせずにボーッとすることは「時間の無駄」に思えるかもしれません。しかし、実際にはそうでないどころか、ボーッとする時間が脳にとって極めて重要であることが、近年の脳科学研究で明らかになってきました。
「海岸で、沈む夕日を眺めながらボーッとする」といった時、脳内では「デフォルト・モード・ネットワーク(以下:DMN)」とよばれる神経ネットワークが活性化します。DMNが活性化した脳は、車でいう「アイドリング」のような状態です。この時、脳内では、情報の整理、神経ネットワークの調整、心身のリラックス、自律神経系の正常化…等が行われています。DMNは過去の振り返りや、感情の処理にも関わっています。

適度にボーッとすれば、タスク効率がアップ
DMNが活性化している時には、脳内の情報処理が効率化されることで、何かが閃いたり、創造性が高まったりします。例えば、懸案だった問題の解決策や、斬新なアイディアが、ふと浮かんだりするのです。つまり、根をつめて仕事や勉強を続けるよりも、適度に休息をとってDMNを活性化させる方が、結果として質の高いアウトプットができるということです。
日常において、疲れて集中力が続かない、ある悩みが頭から離れない…といった時にはDMNの機能が落ちています。このような時には、散歩をしながら空を眺める、好きな音楽を聞き流す、湯船でボーッとする、呼吸に意識を向ける、瞑想を行う、といったことでDMNを活性化しましょう。自律神経の司令塔(中枢自律神経ネットワーク:CAN)も正常化されるので、睡眠の質が上がる、血圧・呼吸・精神状態が安定する、疲労感が軽減する、といった効果も得られます。

重要なのはDMNとCENのバランス
DMNは、「何が重要かを瞬時に判読し、脳のモードを切り替えるセリエンス・ネットワーク(以下:SN)」と「何かに集中して取り組む時に活性化するセントラル・エクゼクティブ・ネットワーク(以下:CEN)」と共に三位一体で機能します。SNがスイッチになり、アイドリング状態のDMNと集中状態のCENを切り替えていきます。
DMNとCENはバランス良く切り替わることが重要です。DMNが過度に活性化し過ぎると、心が迷走状態になって、集中力が続かない、不安感が強まる、何もしていないはずなのに脳が疲れている、といった状態に陥ります。逆にCENの活動が限界に達すると、意欲を失い何事にも無関心、寝ても疲れがまったく取れない、自分の価値を信じられない、といった所謂「燃え尽き症候群(バーンアウト)」の状態に陥ってしまうのです。

当院では、自律神経失調症をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安症、睡眠障害、
パニック症、摂食障害(過食症)、適応障害、
月経前症候群(PMS)、統合失調症、強迫性障害、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群、更年期障害、心身症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
なお、自律神経失調症の漢方薬による治療をご希望の患者様は、診察時に医師の方にぜひご相談下さい。当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することも可能です。
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:『Newton 別冊 体を整える自律神経の取扱説明書 改訂版』


