①怒った日時
②怒った場所
③きっかけとなった出来事
④具体的な自分の言動
⑤(怒りを向けてしまった相手に)して欲しかったこと
⑥結果
⑦その時の自分の感情
⑧怒りの強さ
これら①~⑧を書いていきます。
すると次第にご自分の怒りのパターンが見えてきます。
どのような時間に、どのような場所で、
どのようなことをしている時にイライラしやすい、怒りやすい、
ということが分かってきます。
上記の流れ(①~⑧)の書き方の一例として……
①怒った日時:5月20日午後
②怒った場所:会社
③きっかけとなった出来事:部下のAさんの企画書が不出来。書式がバラバラで全体に曖昧。予算も度外視していた。
④具体的な自分の言動:「もっとしっかり考えてやり直して!」と言い放つ。
⑤(怒りを向けてしまった相手に)して欲しかったこと:きちんと企画書を仕上げてきて欲しかった。
⑥結果:部下のAさんが逆切れ。
⑦その時の自分の感情:後になってから正しい言動だったのか悩む、罪悪感。
⑧怒りの強さ:中程度の怒り。
………というように書きます。
これを書き留めておいて、定期的に見返します。
すると自然と、「どうすれば自分は起こらなかったのか」「イライラを減らすにはどうしたら良いか」が、頭に浮かぶようになるのです。
加えて、アンガーログに記録された怒りやイライラに対する一つひとつの対策や回避方法を考えていくと、当然ながら、イライラや怒りは減っていきます。
やがて暫くすると、書くだけで意識改革が図られイライラや怒りが消えていくようになるから不思議です。
これは、「レコーディングダイエット」と同じ仕組みでもあります。
「レコーディングダイエット」では、毎日食べる食物とそのカロリーを記録していくことで、自分の食事内容や間食を自覚し、意識改革・改善に繋げています。
アンガーログは、イライラや怒りを未然に防ぐ秘密兵器なのです。
記録し始めて少し経つと、着実にイライラや怒りは減っていきます。
では、アンガーログをつけた結果、ご自分のイライラや怒りの原因が分かり、対策や回避方法を考えていかれたケースをご紹介します。
Bさんはいつもイライラしていました。そこでアンガーログを付けてみると、仕事を依頼された時にイライラが強まることが分かりました。Bさんは面倒な仕事があると、「すぐにやらなければいけない」と頭では分かっていながらも、先送りにしてしまいます。
それでも忘れてしまうわけではないのです。「やらなくちゃいけない」といつも頭の片隅に引っ掛かっているのです。それが溜まってくると、「あれもやらなくては、これもやらなくては!」と追い込まれ、慢性的にイライラするようになるのです。
そこで、「面倒だな」と感じた仕事を“実行に移す日”を、スケジュールに入れることにしました。仕事を依頼されたら、その場で、「〇〇日の午前中にやる」と手帳に書き込むのです。
不思議なことに、「この件については、この日にやる」と思えるだけで、イライラが取れていってしまったそうです。
このコラムを読まれて、ご興味や関心を持たれました方は、どうぞ当院までお問い合わせください。
当院では、大人の発達障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、強迫性障害、月経前症候群等、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、心身両面からの治療とサポートを行っております。
またご希望の方には、アンガーマネジメントについてのご相談も承っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願いいたします。
