ADHDの人は、普通であれば軽く流せるような注意や指摘でも、時に自分の存在を全否定されたかのように感じられてしまうことがあります。ちょっとした否定や断りの言葉だけで、酷く落ち込んだり、逆に激しく怒ってしまうなど、メンタルが不安定になりがちです。
これは、まだ研究途中の概念ですが、「RSD」という特性であることが、昨今提唱されてきています。RSDとは「Rejection Sensitive Dysphoria:拒絶感受性ディスフォリア」の略で、まさしく他者からの拒絶を過度に恐れ、強い苦痛や不安を感じる状態を指します。
一説には、このRSDをADHDの人の多くが持っているとされ、RSDが強いと、他者との関わりに不安を感じやすくなります。例えば、自分が大変な時に「手伝おうか?」と声を掛けられても断って、無理に頑張ってしまったり、嫌われないように明るく振舞ったりします。さらに褒められても「本当に褒めてくれているのかな」と疑ってしまい、人間不信につながることもあります。
…このような風に、自分で自分をどんどん追い込んでいってしまうのがRSDの弊害です。ADHDの特性を持つ人は、幼少時に一般的なお子さんに比べて、「もっとちゃんとしなさい」「どうしてできないの」等といったネガティブな言葉を多く浴びて育ったことも影響している、という指摘もあります。よって、自信が持てず、自己肯定感が低くなりがちふで、指摘や否定的な言葉に対して、どうしても敏感に反応してしまうのも無理はありません。
もちろんADHDではない人も、拒絶や否定をされたならば大きなダメージを感じますが、そのダメージがより強く深いのです。
ここでのポイントは、このRSDという概念の存在を知っているのとそうでないのでは、物事への受け止め方に差が出る、ということです。実際、この概念の存在をしったことで、自分が触れられたくない弱点や、地雷になりやすい事柄について、把握できるようになり、事前に察知したり避けたりしやすくなった、という方もいらっしゃられます。加えて、もし実際にそのような精神状態になった時も「今はその弱点を刺激されているから、RSDの症状が出ているだけだ」と一度客観的に自分の状態を捉え、自分に言い聞かせることで、昂りを抑え、落ち着きやすくなります。
その結果、その場でついカーッとなって相手に怒りをぶつけてしまったえい、自分自身が酷く大きなダメージを感じてしまうことを防ぎやすくなるのです。
このように、ADHDの方には自己分析が非常に重要で、自己分析をしなくては何も始まらないといっても過言ではないのです。
上述のように、ADHDの人は、自己肯定感が低くなりやすく、そこから自分のありとあらゆることが気になってしまい、その結果、悩みがどんどん広がっていってしまうことがあります。この不安を完全に消すのは難しいですが、そのような時は、少しでも自己肯定感を上げるために、自信に繋がる経験をできる限り思い出すようにされることがお勧めです。しかし、ご自分に自信がないせいで、折角自信に繋がるような経験をされても、「それが自信になる」と実感できないことが多々あります。
そのような時は、自分一人で思い出そうとせずに、自分のことをよく知っている、信頼できる身近な人に聞いてみられると良いでしょう。誰にでも、頑張った経験の一つや二つは必ずあるものです。「あの時、こんな風に努力していたよ」と教えてもらえることで、自分では気づかなかった自信の芽を必ず見つけられるはずです。

このコラムを読まれまして、気になる点がありました方や、
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当院では、
睡眠障害(不眠症)、不安症、うつ病、躁うつ病、適応障害、
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当院では、ご希望の患者様に、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行することが可能な医療機関となっております。
ご自身の能力の凸凹の可能性が気になられる患者様、とりわけ発達障害(ADHDやASD)の可能性を危惧されている患者様は、御診察の際に、その旨を当院医師にお申し出頂けましたら幸いです。
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:『「普通」ができないADHD脳のトリセツ』


