「相手の気分を害したくないので断るのが苦手です」「断るくらいなら、つい受けてしまいます」という方は、きっと少なくはないことでしょう。概して、日本人は断ることがとても苦手です。しかし、きちんと「断る」ことをしないと、あなたの貴重な時間が、「残業」「休日出勤」「行きたくない飲み会」…等々によって、無限に侵食されていきます。
「上司からの“残業のお願い”を断ると昇進に響いてしまう」と考える人もいるかもしれませんが、一旦立ち止まって考えてみて下さい。皆様の会社(職場)では、「上司のお願い」を断らない便利屋のような人達が、本当に昇進されていますか? 恐らく、「仕事が出来る人」が普通に昇進されているはずです。
「断らない人」は、自分が本当にやりたいことに対して、エネルギーと時間を割り当てることが出来なくなっていきます。休息や睡眠、家族や恋人と過ごす時間も削られていきます。死ぬほど忙しくて睡眠がとれなくなったり、心身の健康を害したりされて初めて「断る」訳ですが、そこまで我慢するくらいであれば、最初から断るべきなのです。
また、個人でビジネスをされている人は、「仕事を断わると仕事が減る、次の仕事が来なくなる」と思っている人が多いですが、一方で「仕事を断るほど、仕事が増える」という法則も存在しています。何故なら、「引き受けられないほど仕事が殺到している」ということは、「人気がある」ことの証明だからです。
もしも、人気レストランに電話をし、3カ月先まで予約がいっぱいだとしたら、「そこまで予約がいっぱいなら、相当良いお店に違いない」とさらに行きたくなる…そのような心理と同じです。ですから、きちんと「断る」ことをしていると、却って仕事は増えます。
「断る」ことによって、特にデメリットは生じません。実際に断ってみると分かりますが、むしろ「断る」ことで沢山のメリットが得られるのです。
★「断らない」と起きること★
・自分の大切な時間が無限に奪われる。
・睡眠、休息時間が減り、憔悴していく。
・頼めば何でも受けてくれる「便利屋」だと思われる。
・「やりたくない仕事」の依頼が増える。
・ストレス溜まる。
・必死に「残業」や「休日出勤」をしても、評価や昇進とは無関係である。
☆「断る」メリット☆
・自分の大切な時間が増える。
・本来すべきことに、エネルギーと時間を集中できる。
・意志の強い人だと思われる。
・「やりたい仕事」の依頼が増える。
・「断るのは申し訳ない」という罪悪感がなくなる。
・スッキリする。・ストレスが減る。
・自己投資に時間が使えて、定時の仕事でしっかりと結果が出せる。

上手に断るためには、どうすれば良いのでしょうか?
それは、自分の人生の中での「優先順位」を決めておくことです。例えば、「家族」が大切と思う人は、「土日は家族と過ごす時間」というルールを決めます。「どうしても急な仕事が入ったので、日曜に出勤してくれないかな?」と言われたら、「申し訳ありませんが、土日は家族と過ごす時間なので」と断るだけです。
断る場合は、「迷わず断る」ことが重要です。「えー、そうですね……」と迷った素振りを見せると、「何とか頼むよ」と付け入られてしまいます。何故なら、迷うということは、「断る明確な理由がない」ことを非言語的に相手に伝えているのと同じです。迷わずすぐに断ることで、自分の意志の固さが相手にしっかりと伝わります。
また、ケース・バイ・ケースで判断するのもよくありません。「断る」判断は、ご自身の「優先順位」に照らし合わせて、常に同じ基準で断ることが肝要です。「今回だけ特別に頼むよ」という言葉には乗らない方が良いでしょう。そうすると永遠に「今回だけ」が続くことに繋がります。
さらに、ケース・バイ・ケースで判断すると、「Aさんの頼みは聞くのに、なぜ私の頼みは聞かないのだ」と、トラブルの原因になります。常に同じ基準で公平に断っていく限り、大きなトラブルが起きることはないでしょう。
そうはいっても、「断ると角が立つので断りづらい」と思われている方が殆どでしょう。そこで、「断りの公式」を使うと、角が立たずに断ることが出来ます。
断りの公式は、「謝罪(感謝)+理由+断り+代替案」です。
例えば、残業を頼まれて、それを断らなくてはならない場合、「すみません(謝罪)。お声掛けを頂き有難うございます(感謝)。本日子どもの学童のお迎えがあるため(理由)、残念ながらお引き受けできません(断り)。明日の午前中でしたら終わらせることが出来るのですが、如何でしょうか(代替案)?」
まず、謝罪(感謝)のクッション言葉を挟み、理由を先に述べて、「結論」である「断り」は出来るだけ最後に述べると良いでしょう。同じ「断る」にしても、この「断りの公式」を活用すると、誠意のある断り方が出来るのです。
★「断る技術」★
① 優先順位を決めておく…自分にとって大切な順位とは? もし「家族>残業」と決めたなら、それに従う。
② 迷わずに断る…「迷う」と明確なポリシーはないものと見なされてしまいます
③ ケース・バイ・ケースで判断をしない…公平に断る方がトラブルになりにくいです。
④ 断りの公式を使う…「謝罪(感謝)+理由+断り+代替案」の順で誠意を示しましょう。

当院では、適応障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病、睡眠障害(不眠症)、不安症、
心身症、自律神経失調症、強迫症、統合失調症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、
過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:平木典子著『図解 自分の気持ちをきちんと<伝える>技術』


