ADHDの方の多くに方に共通するお悩みの一つが「貯金が出来ない」「お金の管理ができない」ではないでしょうか。ADHDの人とお金は中々に難しい関係性にあるのは確かなようです。これは一つの特性でもあるので、これ以上自分を責めるのではなく、システムや周囲に上手に頼って、前に進むことを考えていきましょう。
家計簿をつけたり目的別に口座を作ったり…等々、巷には様々な家計管理のライフハックが溢れています。但し一方で、これらのほとんどのものが、ADHDの方にはハードルが高すぎるものでもあります。何故なら、家計管理や貯金の主な目的は、将来的なリスク管理のためだからです。「今」この瞬間を生き、長期のライフプランどころか、1ヶ月先の未来すら考えることが苦手であるADHDの人は、お金の管理との相性が良いとは言えないのです。それでも「お金の管理を諦めたくない」「貯金をしないと不安がある」と考えているADHDの人へ向けた、取り組み可能なライフハックをご紹介します。

➊ 積み立て制度を利用して貯蓄する
自分の意志で貯金をするのが困難ならば、積み立て預貯金や貯蓄型保険、NISAやiDeCoといった積み立て投資を活用してみましょう。
例えば、「給料天引き」に設定することで、自分の意志とは関係なく、収入の一部を強制的に貯蓄に回すことができます。さらに、一定期間解約できない仕組みのものにすることで、貯めたお金を簡単にはおろせなくなるのもポイントです。
「積み立てやNISAとかは余り知らないし、調べるのも面倒だな…」という方も、一度理解してしまえば案外簡単なシステムなので、周囲の人に聞いてみると良いかもしれません。

➋ 簡単にお金をおろせない仕組みを作る
いっその事、お金の管理は、家族や信頼できる人に任せてしまう手もあります。具体的には、使う分だけ月初めにお金をおろして、キャッシュカードやクレジットカードを全て預かってもらうという方法です。「子どもじゃないのだから…」と思われるかもしれませんが、最終的には他者の介入が最も効果を発揮します。この方法で浪費癖はかなり改善した、というADHDの人も少なくないようです。
あるいは、キャッシュカードのロックサービスを活用する方法もあります。銀行によっては、指定回数を超えると口座がロックされ、ATMが使えなくなるというロックサービスを提供しています。本来このサービスは、カードの紛失や詐欺防止のためのものですが、自分を律するためにこれを活用するのが、ADHDの方のライフハックとなる訳です。

❸ 月1で「お金の日」イベントを開催する
月に1回だけ、お金と本気で向き合うためのイベントデーを設けましょう。ざっくりとで構いませんので、いま口座にいくらあって、今月はこんな大きな支出があって……等といったようなお金の流れをイメージして、把握します。これに関しては、本当にざっくりで良いのです。何故なら、細かく行おうとすると挫折してしまうからです。
不必要なサブスクリプションや、意味も分からずに支払い続けているようなものがあれば、このタイミングで生理します。同時に滞納していないかも確認します。
月1のこの作業を継続してと、自然と「未来を見据えたお金の管理」のペースができてくるはずです。

❹ 引き落とせるものは引き落しへ
電気料金や携帯料金など、毎月必ず支払わなければならない公共料金は、必ず口座引き落としにしましょう。コンビニ払いや銀行振り込みにすると、高確率で忘れてしまい、後回しに後回しを重ねた結果、「お金はあるのにガスが止まってしまった…!」といった事態が発生してしまいます。
このように、ADHDの人のお金に関するライフハックは、基本的に、他者や外部のシステムに頼ることがベースになります。自分の意志で節約や貯金に取り組もうと四苦八苦されるよりも、自分以外の様々なシステムを利用するというやり方に、思い切ってシフトしてみましょう。

当院では、
睡眠障害(不眠症)、不安症、うつ病、躁うつ病、適応障害、
強迫症、摂食障害、月経前症候群(PMS)、統合失調症、
過敏性腸症候群、自律神経失調症、心身症、パニック症など、
皆様の抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
当院では、ご希望の患者様に、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行することが可能な医療機関となっております。
ご自身の能力の凸凹の可能性が気になられる患者様、とりわけ発達障害(ADHDやASD)の可能性を危惧されている患者様は、御診察の際に、その旨を当院医師にお申し出頂けましたら幸いです。
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:やしろあずき著『すごいADHD特性の使い方』


