□ 確かに熱が出ているのにも関わらず、炎症反応が出ていないこと。
□ 解熱剤が効かない一方、抗うつ薬や心理療法により平熱化すること。
□ 心理的ストレスにより急激に顕著な高体温を生じるケースもあること。(心理的ストレス例:手術前日、試験前日など)
□ (上記のような単回のストレスではなく)慢性的なストレス状況が続く中では、微熱程度の高体温が持続するタイプの心因性発熱があること。(例として、学校や出社の時間が近づくと体温が上がる等)
また、上記の「微熱タイプ」の心因性発熱の患者様の多くが、
“抑うつ状態”や“予期不安”を伴っていることが知られています。
加えて、実際にストレスには曝されていなくても、
そのストレス場面や状況についてを、考えたり思い出したり語ったりすることでも、
個人差はあるものの体温上昇が見られることが、近年の研究で明らかになってきました。
心因性発熱患者さまの中には、時として40℃近くの高体温が生じる方もいます。
「本当にストレスだけでそのように体温が上がることがあるのだろうか?」
と思われる方も少なくはないかもしれません。
しかし、私たちには、そもそも「体温を上昇させる」という神経基盤が備わっており、
そのスイッチを入れる(=活性化させる)トリガーとなるのが、
ウィルスや感染症、アレルゲンといった“免疫学的メカニズム”に拠るものなのか、
“心理的ストレス”に拠るものなのかの違いだけであり、
すなわち、感染症に罹って40℃になる人は、
ストレスによっても40℃に上昇する能力(語弊があるかもしれませんが…)を
備えていると考えられるわけです。
―――話が長くなってしまいましたが、今回のコラムで大切なことは、
① ストレスがトリガーとなる発熱(心因性発熱・ストレス性高体温)が存在すること
② その場合は、解熱剤や抗炎症剤の効果は期待できないこと
③ むしろ、心療内科や精神科で処方される投薬による解熱効果が期待できること
④ 大切な手術や試験の前日に急な高熱が出るのは、このタイプの発熱が多いこと
⑤ ストレス原因が明確であり、慢性的な微熱状態が続かれている方は、このタイプの発熱である可能性が高いこと
⑥ このタイプの発熱の場合、多くの場合、抑うつや不安症状を伴っていること
―――これらのことが列挙出来るでしょう。
繰り返しになりますが、心因性発熱やストレス性高体温は、
原因不明の病気ではなく、心療内科や精神科で治療をしていくことが、
可能な病気の一つです。
このコラムを読まれまして、
ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、
睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。
