自閉スペクトラム症(ASD)の人は、概してコミュニケーションが苦手なため社会に適応できず、それが原因で孤立し、不安症を発症しやすい状態にあります。また、ADHDの人は、脳内報酬系の活性が低い傾向はあるため、要求が満たされ幸福を感じているような場合はいいのですが、要求が満たされないと不安を感じやすくなり、そのために不安症を発症しやすくなります。また、それらの不安が原因となって、うつ病を発症する場合もあります。うつ病は、気分の落ち込み、強い不安、意欲や関心の低下などのほかに、重症例の一部では、妄想を伴うこともあります。
一方で、妄想などはみられない「新型うつ病(非定型うつ病)」と呼ばれるうつ病も増えています。新型うつ病は、仕事の場面ではうつ病の症状が目立ちますが、仕事以外の場面では比較的症状が目立たないため、サボっていると誤解されてしまうことがあります。ASDの人は、対人コミュニケーションの障害や社会への適応障害などにより、仕事や職場環境に適応できず、うつ状態になりやすく、新型うつ病は、発達障害の二次障害として診断されるケースが増えてきています。
新型うつ病とは、若い世代を中心に広がっているとされるうつ病で、明確な医学的定義はありません。従来のうつ病と症状が変わってきていることから「新型うつ病」とマスコミで使われるようになりました。逃避型抑うつ、ディスチミア親和型うつ病、未熟型うつ病、現代型うつ病、職場結合性気分障害などが含まれると言われています。
さらに、特にADHDの人は、双極性障害(双極症・躁うつ病)を発症しやすいことも分かっています。双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す障害で、うつ病とは異なる疾患です。Ⅰ型とⅡ型があり、Ⅰ型は多弁・多動に代表される典型的な躁状態となるため診断はつきやすいのですが、Ⅱ型は躁状態が弱く「やや元気」という程度なので、誤ってうつ病と診断されてしまうことがあります。

発達障害の特性と摂食障害
近年、摂食障害と発達障害との合併も注目されてきています。摂食障害の患者様の内、約5%が自閉スペクトラム症(ASD)を、2~18%がADHDを合併しているという報告があります。
発達障害の中でも、パターン化した行動や強いこだわりの特性のあるASDの方は、食事への好き嫌いや偏食などをはじめとした食行動上の問題が表れやすいと言われています。摂食障害と発達障害との合併症の特徴としては、食事内容やカロリー、食事方法や食事時間、食べる順番などへの強いこだわりといった摂食障害特有の症状に加え、やせ願望などの強いこがわりが存在すると言われています。神経性やせ症(AN)のために何度も繰り返し入院された人の37%が、ASDを併存しているか、ASD特性をもっていると報告されています。
一方、ADHDの人では、不注意や衝動性の高さが影響し、過食性障害(むちゃ食い)との合併が多いと言われています。これは、不注意から、規則的な食事時間を設けるのが困難であったり、自らの空腹感や満腹感に鈍感になってしまったり、衝動性を抑える一つの手段として過食という方法を用いてしまったりしてしまうことが原因だとも考えられています。

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当院では、
睡眠障害(不眠症)、不安症、うつ病、躁うつ病、適応障害、
強迫症、摂食障害、月経前症候群(PMS)、統合失調症、
過敏性腸症候群、自律神経失調症、心身症、パニック症など、
皆様の抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
当院では、ご希望の患者様に、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)を施行することが可能な医療機関となっております。
ご自身の能力の凸凹の可能性が気になられる患者様、とりわけ発達障害(ADHDやASD)の可能性を危惧されている患者様は、御診察の際に、その旨を当院医師にお申し出頂けましたら幸いです。
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:『ニュートン別冊 精神科医が語る 発達障害のすべて 改訂第2版』


