「疲れがたまる」には根菜類が効く!
急に暑くなってきたことで、疲れを感じ始めている方もいらっしゃられると思います。「医食同源」と言われるように、本来食事には薬としての意味合いもあります。
漢方薬を例にとると、含まれる生薬は多くは植物由来であり、桂皮(シナモン)や生姜のように、食材として流通しているものも沢山あります。昔の人は、病気になってからはじめて薬を考えるというのではなく、食材の薬効を考え、病気にならないように配慮しながら食事を摂っていたのです。それを「食養生」と言います。
では、昔の人はどのようにして食養生を実践していたのでしょうか。栄養成分も知らなければ、カロリー計算もできなかったはずです。昔の人は、食物を、食べ物の味、旬の季節、色、葉や実や根などを基に、性質ごとに分けていました。
その中の1つに、寒熱による分け方があります。「熱性」「温性」「寒性」「涼性」「平性」です。「熱性」の食べ物は身体を急激に温め、「温性」は緩やかに温めます。「寒性」は強く冷まし、「涼性」は涼やかに冷まします。「平性」は、これらのいずれにも属さず、いわば中立をもたせる食物です。
忙しい毎日で「疲れがたまる」、または「風邪をひきやすい」という時は、ストレスによって身体の抵抗力が落ちています。それを補ってくれるのが、身体の内側を温めてくれる「熱性」や「温性」の食べ物で、特に緩やかに温めて「温性」が適しています。
「温性」の食べ物の代表が、ニンジンやゴボウ、芋類などの根菜類です。ニンジンは「朝鮮人参」の例を挙げるまでもなく、生薬の王様といっても過言ではありません。普通にスーパーで売っているニンジンであっても十分に薬効があります。主に胃腸の機能を整え、身体全体を温めてくれますので、食欲がない、便秘がちといった方に適しています。
生姜は、ストレスがあるとすぐに胃に支障が出てしまうような方に適しています。辛味成分はジンゲロールとショウガオールで、強い殺菌作用を持っています。生ものにおろし生姜を付け合せる理由はここにあります。
ニンニクはスタミナ成分の代表です。胃の調子を整え、咳を止め、下痢を改善します。食欲不振や体力回復に、よく用いられます。独特の臭気はアリシンによるもので、強い殺菌作用があるとともに糖の代謝を活発にして疲労を回復してくれます。また、セレンという微量元素を含んでおり、これは免疫力を高め、癌を予防すると言われています。
レンコンは、イライラや焦燥感などを抑え、乾いた身体を潤し、血のめぐりを改善してくれます。食物繊維が豊富で、血中のコレステロールを下げ、便通を改善します。また、胃の粘膜を修復するルチンを含みますので、胃炎や胃潰瘍の予防効果があると言われています。
他にも山芋、サトイモ、ゴボウなど、身体を温め体力を回復してくれる食材は沢山ありますので、積極的にこれらを食べるようにしましょう。

「ストレス太り」はカルシウムで解決しましょう!
「ストレスが掛かると太る」というのは、皆様も経験があるのではないでしょうか。ストレスによって怒りや悲しみを感じると、それを緩和しようとして脳内麻薬と言われるエンドルフィンが分泌されます。糖質を摂取することでそのエンドルフィンの分泌が高まります。「甘いものを食べると落ち着く」というのは脳内のメカニズムとして正しいのです。
また、ストレスが掛かると筋肉や脳も疲労します。これを補うために、やはり身体は糖質を欲し、食べる行為に向かわせます。そして、食べる割にはストレスによって活動量が減っているので、摂取するカロリーが消費するカロリーを上回ってしまうということに繋がります。このようなことから、ストレスによって太るということになってしまうのです。
この悪循環を断ち切るには、甘いもの(糖質)ばかりに頼らない頼らない食材を選択するようにします。そのポイントはカルシウムです。
カルシウムには鎮静作用があります。イライラが強くてお困りの患者様には、「牡蠣(ぼれい)」や「竜骨(りゅうこつ)」といった炭酸カルシウムでできた生薬が含まれる漢方薬がよく処方されます。奏功すると、気持ちに落ち着きが出てきて楽になります。
カルシウムの摂取には、牛乳、小松菜、いわしなどが適しています。特に牛乳にはアミノ酸も豊富に含まれているので、鎮静効果のある食材としては有望であると言えます。さらに吸収率を高めるには、レモンやリンゴなどに含まれる酸味の元であるクエン酸を同時に摂取することが有効です。
当院では、自律神経失調症をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安症、適応障害、
睡眠障害(不眠症)、パニック症、強迫症、
月経前症候群(PMS)、統合失調症、摂食障害、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群、更年期障害、心身症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
なお、自律神経失調症の漢方薬による治療をご希望の患者様は、
診察時に医師の方にぜひご相談下さい。
当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することも可能です。
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:森下克也著『「月曜の朝がつらい」がなくなる本』


