朝の一杯の白湯が内臓を活性化!
人は、睡眠中は体温が下がっていて、朝起きる頃にまた上がってきます。朝起きた時に冷たいものをとると、血行が悪くなってしまうので、朝一番は温かい白湯(さゆ)を飲みましょう。10分くらいかけて、少しずつ飲むようにすると、内臓温度が上がって代謝もアップします。但し、身体に余分な水分が溜まりやすい体質(=「痰湿」)の人など、なかには白湯が身体に合わない人もいます。白湯を飲んだ時に、心地よいと感じるかどうかを大切にしましょう。
白湯は、朝起きるのが辛い時や、手足が冷える時、お腹の張りや便秘が気になる時などにお勧めです。また、ダイエットやデトックスにも効果的だと言われています。
白湯の味で体調チェック?!
白湯を飲んだ時に、日によって味が違うように感じられることがあります。白湯の味の違いで、ちょっとした体調のセルフチェックをすることも可能です。
✓苦いとき➡寝不足やストレス、偏食などが原因で胃酸の分泌が多くなっている可能性が考えられます。
✓甘いとき➡消化を担う脾(ひ)の働きが低下していると、白湯も甘く感じることがあります。むくみやすくなっている場合もあります。
✓酸っぱいとき➡ストレス過多で肝(かん)に熱がこもっているか、夜遅くに肉を沢山食べる習慣が原因となっている可能性があります。
✓しょっぱいとき➡加齢や過労、病中病後で身体が弱り、腎(じん)が弱っているとき等にしょっぱく感じることがあります。
上手な白湯の作り方
➊ やかんに水を入れ沸騰させる…やかんにきれいな水を入れて強火にかけ、沸騰させます。この時、すぐに飲む1杯分だけをわかします。
➋ ふたを外して10~15分わかし続ける…沸騰したらふたを外して、そのまま10~20分わかし続け、不純物をとばします。換気扇を回しておきましょう。この時に風のエネルギーを取り入れます。
❸ 火を止めて冷ます…やかんを日からおろし、冷ましてからいただきましょう。50℃くらいが飲むために適した温度です。10分くらいかけてゆっくりと飲みましょう。
※上記が理想的な白湯の作り方ですが、わかす時間がないときには、水をレンジで温めるだけでも大丈夫ですよ。
身体を冷やす飲みものには要注意!
季節を問わず水分補給はとても大切ですが、飲み方には注意は必要です。暑い夏は特に、氷をたっぷり入れた飲み物や、冷たい食べ物を口にする機会が増えます。その瞬間は身体が冷えて心地よいのですが、身体はそのたびに体温を36℃くらいに戻そうと、エネルギーを消費します。それが消化力の低下や疲労などに繋がり、夏バテ(時に「秋バテ」)を起こす原因になるからです。暑い季節でも、体温より温かいものを飲んで軽く汗をかいた方が、身体はスッキリします。それでもどうしても冷たいものを飲むときは、せめて氷は抜いて下さいね。
注意➊:『水は沢山飲めばいいものではない』
水分の摂り過ぎは、むくみやだるさ、食欲不振、めまい等のもとになります。ペットボトルの飲み物はコップに入れて、ひと口ずつ飲むとよいでしょう。
注意➋:『漢方薬を飲むときは白湯がベスト』
漢方薬はコップ1杯程度の白湯で飲むのが正解です。避けて欲しいのは、コーヒーや牛乳、ジュース等で飲まれることです。そうすると、薬の効き目や副作用が強く出たり、逆に成分が溶けにくくなったりする恐れがあります。
注意❸:『お酒とはほどほどに付き合うこと』
もしお酒を毎日飲むという人は、肝臓に負担をかけないよう、少量に留めておきましょう。また、ビールをはじめ、冷たい飲み物は胃腸を冷やしてしまうので、より注意が必要です。
漢方薬の正しい飲み方とは?
漢方薬は、空腹時に温かくして飲みます。漢方薬の服用のタイミングは、「食間」が基本です。「食間」とは「食事の30分前」または「食事の2~3時間後」を指しています。なぜ「食間」かと言うと、お腹の中で他の食べ物と一緒にならないよう、空腹時に飲むと、成分が吸収されやすいからです。食間とは、決して食事中のことではありませんので気を付けて下さいね。但し、胃腸の状態を鑑みて、食後に服用するケースもあるので、処方された際に確認をしてみましょう。
漢方薬の基本は煎じ薬です。そのため、薬局で出される散財やエキス剤も、煎じ薬に近い形で飲むのが望ましいとされています。お湯に溶いて飲まれたり、白湯で飲まれたりされることがお勧めです。
そして、忘れずに指定の量を服用することも大切です。しかし、飲み忘れたからといって、2回分を一度に飲むのはよくありません。飲み忘れた時にどうすれば良いかも、処方された時に確認しておくとよいでしょう。
その他の養生にお勧めの飲み物
✓緑茶…怒りでカッとなっている時や、使い過ぎた脳をクールダウンさせたい時にには、緑茶がお勧めです。緑茶には熱を冷ます効果があります。また、緑茶の苦味は不要なものを排出してくれます。但し、涼性(体を冷やす性質を持つもの)なので冷え性の人は注意して下さい。
✓ほうじ茶…ほうじ茶には、気(き)や血(けつ)を補う働きがあります。疲れや冷えがつらい時、上手く汗をかけない時には、ほうじ茶を飲みましょう。また、血(けつ)が不足すると爪が弱ることがあります。そんな時も、ほうじ茶がお勧めです。
✓コーヒー…中医学(漢方医学)では、良い香りにはリラックス効果があると考えます。コーヒーには気分を落ち着かせる効果、頭をスッキリさせる作用、利尿作用、お酒の毒を抜く作用があります。五性では温性に属しているので、適量なら身体を冷やすことはありません。
✓ジャスミン茶…ストレスを感じた時、お勧めなのはハーブなどの良い香りをかぐことです。良い香りをかぐと一瞬その香りに気をとられますが、それが大事なのです。このようにストレスについて考えない時間を少しでもとることで、徐々にストレスから解放されていきます。
当院では、自律神経失調症をはじめ、
睡眠障害(不眠症)、不安症、うつ病、躁うつ病、適応障害、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
強迫症、摂食障害、月経前症候群(PMS)、統合失調症、
過敏性腸症候群、更年期障害、心身症、パニック症など、
皆様の抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
なお、自律神経失調症の漢方薬による治療をご希望の患者様は、診察時に医師の方にぜひご相談下さい。
当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することも可能です。
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:櫻井 大典(監修)『漢方生活を楽しむ教科書』(ナツメ社)