身体の病気と同じく、メンタル不調も早期発見・早期治療が大切です。メンタル不調は、放置してこじらせてしまえば、それだけ治療期間が長引き、仕事やプライベートにも影響を及ぼします。
慢性的な疲労や寝つきの悪さ、食欲不振、頭痛、会社に行こうとすると腹痛が起こる……等々。こうした症状は身体からのSOSであり、受診が必要であるサインです。いつもと違う自分に気づいたら、早めに上司や家族、友人、保健師、産業医に相談しましょう。早めに相談すれば、業務量を減らす、しばらく定時退勤で様子を見るなど、働きながらストレスを軽減するような対策を取ることもできます。
同時に、精神科や心療内科を受診して治療をスタートすることで、休職が必要なほどの不調を予防し、早めに本来のパフォーマンスに戻していくことも期待できます。

受診の目安チェックシート(精神科・心療内科)
▢ 寝つきが悪い、途中で目が覚める、または逆に眠り過ぎる
▢ 寝ても疲れが取れない
▢ あまり食欲がない、または食べ過ぎる
▢ 適性がないので、仕事を辞めたいと思う
▢ 欠勤、遅刻、早退が増えた
▢ 頭痛、腹痛、下痢、肩こりなどの症状に悩まされている
▢ ミスが増えた。作業能率が落ちている
▢ 新聞や本を読んだり、テレビを見ることなどに巣中できない
▢ 他人が気づくくらい動きや話し方が遅くなった。あるいは反対に、そわそわして落ち着かず、普段より動き回るようになった
▢ 悩みや心配事が頭から離れない
▢ 物事に対して興味がない、楽しめない
▢ 気分が落ち込む、憂うつになる、または絶望的な気分になることがある
▢ 死んだ方がマシだと思うことがある。あるいは、自分を何らかの方法で傷つけようとしたことがある
上記の項目の内、2個以上当てはまる時は、精神科や心療内科を受診しましょう。
心療内科と精神科、どちらに行った方が良いのか悩まれる方も少なくないようです。かつて、心療内科はうつ病が専門、精神科は統合失調症の患者様が行く病院、というイメージが強かった時代もありました。しかし今では、そうした区分けはありません。また、精神科や心療内科への偏見やイメージを払拭する意味で「メンタルヘルス科」など、よりカジュアルな診療科名をつけている病院もあります。心療内科、精神科、メンタルヘルス科のいずれでも、メンタル不調全般の診察、治療を行っています。自分が通いやすく、また医師との相性の良い病院を選ばれると良いでしょう。

この時期によくあるQ&A
Q.“メンタルダウン” を防ぐ為に普段から気をつけた方が良いことはありますか?
A.「仲間意識を持つこと」だと言われています。仲間意識はメンタルダウン予防の緩衝材になってくれるものです。差し伸べられた手に気づきやすく、またヘルプサインを上げやすくしてくれます。ただ、「いつでも相談できる人」と考えると、途端にハードルが挙がってしまうことも多いようです。「こんなことは誰にも話せない」と、自分で線引きをしてしまう人も多く見られます。では、目標を共有し合っていることを「相談できる人=仲間」の定義としてみてはいかがでしょうか? 例えば夫婦なら、家事や育児は2人の共通の目標となります。仲間とは、小さくても同じ目標を共有するギブアンドテイクの関係性がある人を指します。よって、仕事上の繋がりは勿論、家族や恋人、パートナー、友人も、あなたが困ったときに相談できる仲間なのです。
Q.休職すべきか、働きながらの治療が可能なのか、その境目はどこにありますか?
A.「眠れない」「起きられない」「電車に乗れない」等の明らかな不調が出ている時や、「もう死んでしまいたい」というような希死念慮が出ている時は、とにかく休息をとって心身の疲労を軽くすることが第一です。一方で、メンタル不調なのか、単なる疲労なのかの区別がつかず、受診までかなりの時間が掛かった、という声もよく聞かれます。「いつもの自分ならしないようなミスが増えているが、職場に行けないことはない」「食欲不振や疲労、腹痛などの症状はありけれど、市販薬で何とかごまかしながら仕事をしている」…等、こうした状況にある時に一つの判断材料になるのが睡眠後の回復です。一晩眠れば元気になるのは一過性の疲労ですが、寝ても治らないのは慢性的な疲労です。病的な疲労・疲労反応は、うつ症状の特徴の一つです。しっかり寝たのにちっとも回復しない場合、またそもそも眠れない場合は、まず専門家の診察を受けましょう。そのうえで、すぐさま休職すべきなのか、薬物療法などをしながら様子を見るのかを決めていきます。

当院では、適応障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病、睡眠障害(不眠症)、不安症、
心身症、自律神経失調症、強迫症、統合失調症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、
過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
監修者:
新宿ペリカンこころクリニック
院長 佐々木 裕人
資格等:精神保健指定医、精神科指導医・専門医
所属学会:日本精神神経学会
参考引用文献:『マンガで分かる休職サバイバル術』


